エルデザインの歩みを振り返る「L DESIGN HISTORY」
今回は、住宅専門誌『岡山での家づくり 自分達にぴったりの家づくり見つかる! Vol.9』に掲載していただいた施工事例をご紹介します。
当時どのようなご要望があり、どんな住まいづくりを行ったのか。
雑誌では紹介しきれなかった写真やエピソードも交えながら振り返ります。
書籍情報
| 書籍名 | 岡山での家づくり 自分達にぴったりの家づくり見つかる! 2021年 秋・冬号 Vol.8 |
|---|---|
| 発行日 | 2021年7月18日 |
| 掲載ページ | P428〜429 |
ご依頼のきっかけ
今回ご紹介する住まいは、当時エルデザインで大工として活躍していた女性スタッフが、自身の新築住宅として監督した一棟です。
お客様として家づくりを進めるだけでなく、設計の打ち合わせから現場での施工まで、自ら家づくりに携わりました。大工だからこそ分かる使い勝手や施工性、そして実際に暮らす人としての目線を取り入れながら、一つひとつ理想の住まいを形にしていきました。
家づくりを知り尽くした職人が、自分自身と家族のために考え抜いて完成した住まい。エルデザインの技術や想いが詰まった、新築住宅の施工事例です。
理想とご要望
新しい住まいでは、「自分たちらしい家」をテーマに、内装・外観ともに黒を基調とした、落ち着きのあるデザインを希望されました。シンプルでありながら存在感のある住まいを目指し、細部まで色合いや素材にこだわっています。
また、毎日の暮らしやすさも大切なポイントでした。家電が増えても困らないようコンセントは必要な場所へ十分に配置し、将来の使い勝手まで考えた計画としました。
ご主人の長年の夢だった書斎も、この家づくりで実現。仕事や趣味に集中できる、自分だけの落ち着いた空間を設けました。
さらに、共働きでも家事がしやすいよう、洗濯・干す・収納までをスムーズに行えるランドリースペースを計画。デザイン性だけでなく、毎日の暮らしが快適になる動線にもこだわった住まいとなりました。
BUILDING STORY
地鎮祭から棟上げへ、少しずつ形になる住まい
図面の中で描いてきた住まいが、実際の大きさや形となって現れていく大切な工程です。現役大工として自ら設計・施工に携わる今回の家づくりも、一つひとつの工程を確認しながら丁寧に進めていきました。
STEP 01
家づくりの始まりとなる地鎮祭
工事を始める前に、土地の神様へご挨拶をし、工事の安全とご家族の末永い暮らしを願う地鎮祭を執り行いました。
ご家族と施工に携わる職人が気持ちを一つにし、これから始まる家づくりが無事に進むよう祈願します。この日を境に、図面の中で描いてきた理想の住まいが、少しずつ実際の形へと変わり始めました。
STEP 02
住まいの姿が見えてくる棟上げ
基礎の上へ柱や梁を組み上げ、住まいの骨組みをつくっていく棟上げ。施工を見守っていた施主様からは、こんなお言葉をいただきました。
『こんな部屋にしたい!』と間取りを考えてから、土地を探し、そしてまた間取りを考え……を繰り返し、なかなか決まらなかったので、『やっとここまで来た』という気持ちです。棟上げが終わって家がどんどん形になっていくので本当にワクワクしています。自分たちの家ができていく過程を、これからもじっくり見ていきたいです。
図面の中だけだった住まいが、少しずつ現実の形になっていく――。棟上げは、ご家族にとっても、家づくりへの期待が一層大きくなる、忘れられない一日となりました。
POINT 01
黒を基調とした、スタイリッシュなLDK
家族を見渡せる開放的なLDK
キッチンに立つと、リビング・ダイニング全体を見渡せる開放的なレイアウトを採用しました。アクセントウォールには住まい全体のテーマカラーである黒を取り入れ、空間を引き締めながらも圧迫感のない上質な雰囲気を演出しています。
黒のアクセント建具
内装や建具には、住まい全体のテーマである黒を効果的に取り入れました。重たくなりすぎないよう、白を基調とした床や壁とのバランスを整え、スタイリッシュでありながら明るさも感じられる空間としています。
POINT 02
洗練されたブラックキッチン
開放感のある対面キッチン
黒を基調としたキッチンを住まいのアクセントに採用。開放感のある対面式とすることで、家族との会話を楽しみながら料理ができる空間に仕上げました。
デザインと使いやすさを両立
ワークトップは明るい色でまとめ、ブラックとのコントラストが美しいキッチンに。収納力もしっかり確保し、毎日の家事が快適になるよう計画しています。
POINT 02
ホテルライクな水まわり空間
モノトーンで統一した落ち着きのあるトイレ
壁やカウンターを黒でまとめ、シンプルで落ち着きのある空間に仕上げました。手洗いカウンターを設けることで使い勝手にも配慮し、毎日気持ちよく使えるトイレになっています。
黒を基調とした上質なバスルーム
浴槽やアクセントパネルを黒で統一し、ホテルライクな雰囲気を演出。ゆったりと一日の疲れを癒せる、デザイン性と快適性を兼ね備えた浴室となりました。
POINT 04
家事ラクなランドリースペース
洗濯から収納までをスムーズに
室内干しスペースに加え、洗濯物をたたんだりアイロンを掛けたりできる作業カウンターと、収納量を調整できる可動棚を設置しました。
洗濯物を「干す・たたむ・しまう」まで、一連の家事を同じ場所で進められる、使い勝手のよいランドリースペースです。
天候を気にせず干せる空間
ベランダを設けない代わりに室内物干しを備え、雨の日や花粉の多い季節でも、天候を気にせず洗濯物を干せる空間を計画しました。
複数の窓から自然光と風を取り込めるため、明るく換気のしやすいランドリースペースに仕上がっています。
POINT 05
ご主人念願の書斎
集中できる自分だけの空間
ご主人が以前から希望されていた書斎を新築を機に実現しました。仕事や趣味に集中できる落ち着いた空間となるよう、シンプルなレイアウトと上質な内装でまとめています。
作業しやすいカウンターデスク
壁面にはゆったり使えるカウンターを造作し、パソコン作業や読書など、さまざまな用途に対応。限られたスペースを有効活用しながら、快適に過ごせる書斎に仕上げました。
POINT 06
質感のある外壁サイディング
デザインと実用性を兼ね備えた玄関まわり
軒のない外観デザインでありながら、玄関部分は建物を奥へセットバックさせることで雨に濡れにくい空間を確保しました。自転車を置けるスペースとしても活用でき、毎日の使いやすさにも配慮した設計となっています。
機能性とアクセントをプラス
外壁には質感のあるブラックのサイディングを採用し、落ち着きと重厚感のある外観に仕上げました。スリット入りの玄関ドアと縦長のFIX窓が外観にアクセントを添え、自然光を室内へ取り込みながら、明るく開放感のある玄関を演出しています。
DETAILS
暮らしを彩る、その他の施工ポイント
現役大工が自ら設計・施工に携わった新築住宅。ご紹介した場所以外にも、暮らしやすさとデザイン性を両立できるよう、細部まで一つひとつこだわって仕上げています。
石目調フローリング
フローリングには、石目調デザインの床材を採用しました。木質フローリングをベースに、表面へ石目柄のシートを施した床材のため、本物のタイルや大理石に比べてコストを抑えながら、高級感のある空間を演出できます。 また、タイルのようなひんやりとした冷たさが少なく、木質フローリングならではのやさしい踏み心地も魅力です。日頃のお手入れもしやすく、デザイン性と暮らしやすさを兼ね備えた床材として採用しました。
こだわりが光るリビングドア
室内建具には、住まい全体のテーマカラーであるブラックを採用しました。シンプルなデザインの中に縦長のガラススリットを取り入れることで、空間に軽やかさと上質感をプラス。デザインのアクセントになるだけでなく、隣の部屋から自然光をやさしく取り込み、廊下や室内を明るく演出しています。また、視線を適度に遮りながら光を通すため、プライバシーを確保しつつ開放感も感じられる空間に。住まい全体のインテリアと調和し、洗練された雰囲気を引き立てる建具となっています。
扉のないオープンクローゼット
クローゼットにはあえて扉を設けず、オープン収納を採用しました。扉の開閉に必要なデッドスペースが不要になるため、お部屋をより広く有効に使うことができます。また、衣類の出し入れがしやすく、毎日の身支度もスムーズに。シンプルで開放感のある空間づくりと、使いやすさの両方を実現した収納スペースです。
暮らしに合わせて使える可動棚
住まいのさまざまな場所に可動棚を設置し、収納するものに合わせて棚板の高さを自由に調整できるようにしました。日用品や食品のストック、書類、小物など、用途に応じて無駄なく収納できるため、空間をすっきり保つことができます。ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できる、使い勝手の良い収納スペースです。
OPEN HOUSE
見て・体感して学べるオープンハウス
住まいの完成後には、施主様のご厚意によりオープンハウスを開催しました。
黒を基調とした外観や内装、家族を見渡せるLDK、家事をスムーズにするランドリースペース、ご主人念願の書斎など、実際の住まいを見ながら家づくりの工夫を体感していただく機会となりました。
暮らしをイメージできる見学会に
図面や写真だけでは分かりにくい部屋の広さや動線、素材の質感、光の入り方などを、完成した住まいの中で実際に確認していただきました。
特に、黒を取り入れながらも明るさを感じられる内装や、洗濯から室内干し、収納までを一か所で進められるランドリースペースは、多くの方に興味を持っていただいたポイントです。
完成した住まいをより楽しく見学していただけるよう、家づくりのこだわりや工夫を紹介したポップを室内のさまざまな場所に設置しました。実際の空間を見ながらポイントを確認できるため、「なるほど」と納得しながら見学できると好評でした。 さらに、お子様向けにはバルーンアートも開催。ご家族そろって楽しめるイベントとなり、住まいづくりの時間そのものを思い出に残る一日にすることができました。
完成した住まいが、次の家づくりのヒントに
オープンハウスは、完成した家を見ていただくだけでなく、これから家づくりを考える方にとって、自分たちの暮らしを具体的に思い描くための機会でもあります。
施主様の想いと、職人としての経験を一つひとつ形にした住まいを通して、エルデザインの家づくりを感じていただける一日となりました。
CONCLUSION
想いを形にした、世界に一つだけの住まい
家づくりは、間取りや設備を決めるだけではありません。 「こんな暮らしがしたい」「毎日をもっと快適に過ごしたい」という想いを、一つひとつ形にしていく積み重ねです。
今回の住まいでは、黒を基調とした統一感のあるデザインをはじめ、家族が自然と集まるLDK、ご主人念願の書斎、家事をラクにするランドリースペースなど、実際に暮らす人の目線で細部まで工夫を重ねました。
現役大工だからこそ気づける使いやすさと、住まいへのこだわりを随所に取り入れながら、デザイン性と機能性を兼ね備えた住まいが完成しています。