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岡山県有数のカキ養殖産地・瀬戸内市邑久町で、カキ漁師を目指して新たな一歩を踏み出した男性がいます。
2024年に自衛隊を定年退職した佐々木一元さん(56)です。
子どもの頃から憧れていた漁師になるため、2026年春からカキ漁師の見習いとして3年間の実習をスタートしました。
56歳から「第2の人生」で漁師へ
佐々木さんが漁師を目指すきっかけとなったのは、大阪で開かれた漁業への就業希望者向けの説明会でした。
そこに初めてブースを出していたのが、瀬戸内市の邑久町漁協です。
邑久町虫明地区は岡山県を代表する養殖カキの産地ですが、生産者の減少が続いています。漁協によると、毎年2軒ほどの養殖漁業者が廃業しているといい、新たな担い手の確保が大きな課題となっています。
そこで漁協が初めて取り組んだのが、地域外から新たな生産者を受け入れて育成する取り組みです。
佐々木さんは、その第1号として3年間の実習に取り組んでいます。
カキ養殖の基本を一から学ぶ毎日
この時期に行われているのが、カキの幼生を付着させるために使うホタテの貝殻の束作りです。
穴を開けたホタテの貝殻を針金に通していく地道な作業を、早朝から昼まで繰り返します。
さらに、船からカキいかだへ移ったり、海上で作業したりと、陸上とは全く異なる環境にも慣れなければなりません。
佐々木さんを指導する「親方」は、カキ漁師の伊東聖二さん(50)。
祖父の代から続く3代目のカキ漁師で、邑久町漁協の理事も務めています。
大量死を経験し「今までの常識が通用しない」海へ
邑久町のカキ養殖を取り巻く環境は、大きく変化しています。
2025年には海水温や塩分濃度の上昇などの影響を受け、養殖カキが大量死しました。
さらに2026年は、カキの幼生が例年よりかなり早く海中に現れるなど、これまでとは異なる状況が起きています。
取材の日には予定を変更し、カキの幼生をホタテの貝殻に付着させる「採苗」を実施しました。
ただし、時期が早すぎれば十分に幼生が付着しない可能性もあります。
伊東さんはリスクを考え、用意した貝殻すべてではなく、全体の約3割だけを海に沈めることを決断しました。
長年カキ養殖に携わってきた漁師でも、変化する海の状況を見ながら試行錯誤を続けています。
目標は自衛隊の後輩と一緒にカキ漁を
大量死という厳しい状況の中で始まった佐々木さんの挑戦。
まずは伊東さんからカキ養殖の技術や経験を学び、3年後の独立を目指します。
そして、その先に描いている目標があります。
将来、自衛隊の後輩の中にカキ漁をやりたい人がいれば邑久町に呼び、一緒に働ける環境をつくることです。
新たな漁師が増えれば、担い手不足に悩む地域のカキ養殖を次の世代へつなぐことにもつながります。
56歳から一人前のカキ漁師を目指す佐々木さんと、新たな担い手を育てたい邑久町漁協。
初めての取り組みがどのような実を結ぶのか、3年間の挑戦が始まっています。
詳しい背景や追加情報については、参照元の記事もあわせてご確認ください。
参照元
※この記事は、公開情報をもとにくらすまが読みやすく整理しています。(確認日:2026/08/06)